母魚2
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俺の知る限り、うちの母さんは年をとっていなかった。（あくまで見た目だが）
常識を逸脱したこの異常に、俺は中学の時に初めて気づいた。
授業参観のその放課後、たしか加藤とか言ったと思うがその時の友が言った一言がきっかけだった。
「おれさ、小学校のころ海野の母さん見た記憶があるんだけどさ・・・今日来てただろ？
なんか、全然変わってないことないか？」
その時俺はいまいちピンとこなかった。
同じ人間なんだから変わったら困るだろ？むしろそんな風に思ってた。
それから一ヶ月ほどたったころに、自室の部屋の片付けをしていたら、ふと幼稚園のころの写真が１枚出てきた。
それは俺と母さんが二人で写ってる写真だった。
母さんはあいからわず若くて綺麗で童顔で、今と全く変わっていなかった・・・
我ながらバカだと思った。なんで今まで全く気づかなかったのか？何時もそばにいながらこれほどの異常になぜ、いや、何時も一緒にいたから気づかなかったのか？
いや、そんなことは今更どうでもいい。
いま問題なのはなぜ母さんは全く年をとってないのかだ。
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